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地球の大気中の[[オゾン]]を透過する間にはいくらかの紫外線が取り除かれ、UVCは大気によってほとんど完全に取り除かれるが、15分未満で日焼けが生じる程度のUVAとUVBは、十分に残っている。以前は、UVBのみが[[皮膚ガン]]の原因となると考えられていたが、UVAとUVB両方が皮膚ガンを誘発する。
 
地球の大気中の[[オゾン]]を透過する間にはいくらかの紫外線が取り除かれ、UVCは大気によってほとんど完全に取り除かれるが、15分未満で日焼けが生じる程度のUVAとUVBは、十分に残っている。以前は、UVBのみが[[皮膚ガン]]の原因となると考えられていたが、UVAとUVB両方が皮膚ガンを誘発する。
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== 症状 ==
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=== 種類 ===
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日焼け現象には2種類ある。紫外線にあたった直後には発症せず、2~6時間後皮が赤くなり、痛みは6~48時間の後に最もひどくなる'''サンバーン'''(sunburn)と、24~72時間の間、色素沈着が進行する'''サンタン'''(suntan)である。日焼けが起こった3~8日後に、皮膚が剥離し始める。
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==== サンバーン ====
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'''サンバーン'''は紫外線UVBが表皮を透過し、真皮乳頭体まで達した結果、直接的DNA損傷が主因となり乳頭体内の毛細血管が炎症反応として充血を起こし、皮膚の色が赤くなった状態を指す。その際、紫外線量がメラニン色素の防御反応を超えていると、細胞組織が傷を受け、炎症の情報伝達物質である多様な炎症メディエータや[[サイトカイン]]が産生され発熱や水泡、痛みが起きる。医学的にはこれを日光皮膚炎という。
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==== サンタン ====
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'''サンタン'''は紫外線UVAが[[メラノサイト]]に働きかけ、メラニン色素の生成を促す。メラニン色素を多く含んだ表皮細胞が基底層から角質層に達するまで新陳代謝による時間のズレがある為、紫外線を浴びてからしばらく後で皮膚が浅黒く変色するのはこのためである。UVAは発赤や炎症を伴う事はないが、真皮の深部まで到達しシワ、タルミの原因になる。
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=== 熱傷 ===
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日焼けは熱傷の深度I度またはII度の[[熱傷]]である。多くは赤くなるだけのI度の熱傷であり問題なく治る。強く日焼けした場合、水膨れとなりII度の熱傷となることもある。障害部位において痛痒感、浮腫、赤変、皮膚剥離、発疹、強い灼熱感といった症状を引き起こし、その他全身症状として吐き気及び発熱と言った症状を呈する。一般に熱傷面積が広いため、熱傷深度の割には症状が重篤なものとなり、極端な日焼けでは、身体は衰弱し、入院を必要とする場合もある。
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== 治療 ==
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{{See also|熱傷}}
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重度の場合の第一選択は副腎皮質ステロイドホルモン外用であるが、効果は極めて限定的とされている。炎症の沈静化と疼痛の緩和には非ステロイド系抗炎症薬が有効である。なお、ステロイドの全身投与の有効性には疑問を呈する見解がある。
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軽度の場合は冷水湿布や保湿剤も効果があるものの、皮膚に刺激を与える恐れがある麻酔薬や香料が含まれていないものを選択する。
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== 日焼けと人種 ==
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基本的に有色人種と白人では先述のダメージを受ける度合いが大きく異なり、黒人よりは中東系、中東系よりは東アジア系、東アジア系よりは欧州系の白人が大きく影響を受ける。しかしながら白人はそのダメージがもっとも大きいにもかかわらず、文化的に日焼けした肌から裕福な印象を受けるために日焼けを好み、日焼けサロンに通ったりビーチで日焼けする姿が多々見られる。
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13カ国の400万人以上のがん患者のデータを用いた2006年の研究では、[[日照]]の少ない国での特定のがんのリスクの顕著な増加が示され、その他の関連研究でもビタミンD濃度とがんの間の相関関係が示されている。この著者は、毎日 1,000[[IU]] (25μg) のビタミンDの追加摂取はヒトの[[大腸がん]]のリスクを50%減少させ、乳がんと[[卵巣がん]]のリスクを30%減少させると示唆している<ref>{{cite journal |pmid=16380576 |year=2006 |last1=Garland |first1=CF |last2=Garland |first2=FC |last3=Gorham |first3=ED |last4=Lipkin |first4=M |last5=Newmark |first5=H |last6=Mohr |first6=SB |last7=Holick |first7=MF |title=The role of vitamin D in cancer prevention |volume=96 |issue=2 |pages=252–61 |doi=10.2105/AJPH.2004.045260 |pmc=1470481 |journal=American journal of public health}}</ref><ref>{{cite news| url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/4563336.stm| title= Vitamin D 'can lower cancer risk'| work=BBC News|date=28 December 2005| accessdate=2006-03-23}}</ref><ref>{{cite journal |pmid=17296473 |year=2007 |last1=Gorham |first1=ED |last2=Garland |first2=CF |last3=Garland |first3=FC |last4=Grant |first4=WB |last5=Mohr |first5=SB |last6=Lipkin |first6=M |last7=Newmark |first7=HL |last8=Giovannucci |first8=E |last9=Wei |first9=M |title=Optimal vitamin D status for colorectal cancer prevention: a quantitative meta analysis |volume=32 |issue=3 |pages=210–6 |doi=10.1016/j.amepre.2006.11.004 |journal=American journal of preventive medicine}}</ref><ref>{{cite journal |pmid=17169713 |year=2006 |last1=Garland |first1=CF |last2=Mohr |first2=SB |last3=Gorham |first3=ED |last4=Grant |first4=WB |last5=Garland |first5=FC |title=Role of ultraviolet B irradiance and vitamin D in prevention of ovarian cancer |volume=31 |issue=6 |pages=512-4 |doi=10.1016/j.amepre.2006.08.018 |journal=American journal of preventive medicine}}</ref>。さらに、日照不足であると、[[くる病]]や冬型の[[季節性情動障害]]に罹患するリスクが高まる。これらの日照不足によると思われる疾患を避け、健康を維持するために、高緯度に居住する[[白人]]は[[日光浴]]を好む傾向にあると考えられる。
  
 
==出典==
 
==出典==

2019年6月3日 (月) 14:01時点における最新版

日焼け(ひやけ)とは、紫外線皮膚に浴びることにより、皮膚が赤く炎症を起こす急性症状(サンバーン)と、メラニン色素が皮膚表面に沈着すること(サンタン)である。

日焼けの発生と紫外線[編集]

日焼けは、通常日光(稀に紫外線人工灯)の過剰照射の結果として発生し、照射された紫外線がメラニンの保護能力を超えている時に起こる。メラニンの成分量は個人差があるが、一般に、より浅黒い肌の人々は色白の人より多くのメラニンを持っており、これは浅黒い肌の人は日焼けがしにくいことを意味している。

紫外線は、その波長によってUVA(長波長紫外線)、UVB(中波長紫外線)、およびUVC(短波長紫外線)に分けられる。

地球の大気中のオゾンを透過する間にはいくらかの紫外線が取り除かれ、UVCは大気によってほとんど完全に取り除かれるが、15分未満で日焼けが生じる程度のUVAとUVBは、十分に残っている。以前は、UVBのみが皮膚ガンの原因となると考えられていたが、UVAとUVB両方が皮膚ガンを誘発する。

症状[編集]

種類[編集]

日焼け現象には2種類ある。紫外線にあたった直後には発症せず、2~6時間後皮が赤くなり、痛みは6~48時間の後に最もひどくなるサンバーン(sunburn)と、24~72時間の間、色素沈着が進行するサンタン(suntan)である。日焼けが起こった3~8日後に、皮膚が剥離し始める。

サンバーン[編集]

サンバーンは紫外線UVBが表皮を透過し、真皮乳頭体まで達した結果、直接的DNA損傷が主因となり乳頭体内の毛細血管が炎症反応として充血を起こし、皮膚の色が赤くなった状態を指す。その際、紫外線量がメラニン色素の防御反応を超えていると、細胞組織が傷を受け、炎症の情報伝達物質である多様な炎症メディエータやサイトカインが産生され発熱や水泡、痛みが起きる。医学的にはこれを日光皮膚炎という。

サンタン[編集]

サンタンは紫外線UVAがメラノサイトに働きかけ、メラニン色素の生成を促す。メラニン色素を多く含んだ表皮細胞が基底層から角質層に達するまで新陳代謝による時間のズレがある為、紫外線を浴びてからしばらく後で皮膚が浅黒く変色するのはこのためである。UVAは発赤や炎症を伴う事はないが、真皮の深部まで到達しシワ、タルミの原因になる。

熱傷[編集]

日焼けは熱傷の深度I度またはII度の熱傷である。多くは赤くなるだけのI度の熱傷であり問題なく治る。強く日焼けした場合、水膨れとなりII度の熱傷となることもある。障害部位において痛痒感、浮腫、赤変、皮膚剥離、発疹、強い灼熱感といった症状を引き起こし、その他全身症状として吐き気及び発熱と言った症状を呈する。一般に熱傷面積が広いため、熱傷深度の割には症状が重篤なものとなり、極端な日焼けでは、身体は衰弱し、入院を必要とする場合もある。

治療[編集]

熱傷 も参照 重度の場合の第一選択は副腎皮質ステロイドホルモン外用であるが、効果は極めて限定的とされている。炎症の沈静化と疼痛の緩和には非ステロイド系抗炎症薬が有効である。なお、ステロイドの全身投与の有効性には疑問を呈する見解がある。

軽度の場合は冷水湿布や保湿剤も効果があるものの、皮膚に刺激を与える恐れがある麻酔薬や香料が含まれていないものを選択する。

日焼けと人種[編集]

基本的に有色人種と白人では先述のダメージを受ける度合いが大きく異なり、黒人よりは中東系、中東系よりは東アジア系、東アジア系よりは欧州系の白人が大きく影響を受ける。しかしながら白人はそのダメージがもっとも大きいにもかかわらず、文化的に日焼けした肌から裕福な印象を受けるために日焼けを好み、日焼けサロンに通ったりビーチで日焼けする姿が多々見られる。

13カ国の400万人以上のがん患者のデータを用いた2006年の研究では、日照の少ない国での特定のがんのリスクの顕著な増加が示され、その他の関連研究でもビタミンD濃度とがんの間の相関関係が示されている。この著者は、毎日 1,000IU (25μg) のビタミンDの追加摂取はヒトの大腸がんのリスクを50%減少させ、乳がんと卵巣がんのリスクを30%減少させると示唆している[1][2][3][4]。さらに、日照不足であると、くる病や冬型の季節性情動障害に罹患するリスクが高まる。これらの日照不足によると思われる疾患を避け、健康を維持するために、高緯度に居住する白人日光浴を好む傾向にあると考えられる。

出典[編集]

  1. Garland Garland Gorham Lipkin (2006) GarlandCF GarlandFC GorhamED LipkinM NewmarkH MohrSB HolickMF [ The role of vitamin D in cancer prevention ] American journal of public health 96 2 2006 252–61 10.2105/AJPH.2004.045260
  2. (28 December 2005) Vitamin D 'can lower cancer risk' BBC News [ arch. ] 2006-03-23
  3. Gorham Garland Garland Grant (2007) GorhamED GarlandCF GarlandFC GrantWB MohrSB LipkinM NewmarkHL GiovannucciE WeiM [ Optimal vitamin D status for colorectal cancer prevention: a quantitative meta analysis ] American journal of preventive medicine 32 3 2007 210–6 10.1016/j.amepre.2006.11.004
  4. Garland Mohr Gorham Grant (2006) GarlandCF MohrSB GorhamED GrantWB GarlandFC [ Role of ultraviolet B irradiance and vitamin D in prevention of ovarian cancer ] American journal of preventive medicine 31 6 2006 512-4 10.1016/j.amepre.2006.08.018

関連項目[編集]