ハリー・ポッターと賢者の石

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ハリー・ポッターと賢者の石』(ハリー・ポッターとけんじゃのいし、原題:Harry Potter and the Philosopher's Stone)は、イギリス児童文学作家J・K・ローリングが1997年に発表した、子供向けファンタジー小説ハリー・ポッター』シリーズの第1巻。同年のカーネギー賞佳作(commended)に選出された他、数々の賞を受賞している。また、2001年には同じ題名で映画化されている。

概要

両親を亡くしたハリー・ポッターホグワーツ魔法魔術学校に入学し、そしてハリーの両親を殺した闇の魔法使いヴォルデモートハリーの母を殺した際に失った肉体を取り戻すために「賢者の石」を得ようとするのを阻止するまでの一年間を描く。世界中にハリー旋風を巻き起こした第1作。

あらすじ


注意以降に核心部分が記述されています。

10年前に両親が交通事故で亡くなった後、母親の妹ペチュニアおばさんのダーズリー一家に引き取られたハリー・ポッターは、同い年の従兄ダドリー・ダーズリーと比べられ、いじめられる孤独な毎日を送っていた。そして11歳の誕生日が近づいたハリーの近辺では、魔法のような奇妙なことが起こるようになっていた。そしてハリー宛にホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届く。しかしペチュニアと夫のバーノン・ダーズリーは手紙を嫌い、あげくの果てには家から逃げ出してまで、ハリーを魔法学校への入学を阻止しようとする。そして手紙から逃れるためにダーズリー一家はハリーを連れて、人里離れた海の上の小屋に逃げ出した。そんなダーズリー一家の前に、見知らぬ大男が現れる。男はハグリッドと名乗り、ダーズリー夫妻がハリーに隠していた本当の生い立ちをハリーに告げる。交通事故で亡くなったと聞かされていた両親は、闇の魔法使いヴォルデモート卿に殺されたというのだ。そのとき母親は必死でハリーを庇うが殺されてしまい、そしてその後に生後間もないハリーも殺そうとしたのだ。しかし母親がハリーを庇った魔法のおかげで、ヴォルデモートは両親を殺した邪悪な魔法が自身にはね返り、命からがら逃げ去った。そしてハグリッドの自身の手で壊れた両親の家からダーズリーの家に連れてこられたという事実をハリーは知る。こうしてハリーはなぜ自分が魔法界で有名で、「生き残った男の子」であるという真実を知る。次の日、ハグリッドの案内によってロンドンで魔法使いが出入りするダイアゴン横丁へ連れてこられ、学校へ入学するための準備をすることになる。魔法に縁のない生活をしていたハリーは、戸惑いながらも徐々に魔法界の生活になじんでいく。

全寮制のホグワーツ魔法魔術学校に入学したハリーは、組分け帽子の選択により勇気ある者が住まう寮であるグリフィンドール寮に所属することとなる。新学期の汽車「ホグワーツ特急」で出会った友人ロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーも同じ寮に所属することになる。一方、ダイアゴン横丁で出会った魔法界の名家の出であるドラコ・マルフォイスリザリン寮に所属)とは対立を深めていく。そしてハリーは箒の才能を見出され、一年生としては例外ながらクィディッチの寮のチームのシーカーとなる。

ハリーとロンはすぐに親友になった。ロンは純血の魔法使い一家の出で、ハリーにいろいろな魔法界の習慣を教えてくれる。一方、両親ともマグル(非魔法使い)である優等生のハーマイオニーとは二人は入学初期、そりがあわず喧嘩することになる。しかしトロールとの対決をし、お互い助け合ったハリー達はハロウィーンを境にハーマイオニーも親友とし、三人で行動を共にするようになる。一方ハリーを迎えに来たハグリッドはホグワーツの森番をしており、三人はハグリッドの小屋に出入りするようになる。ハグリッドはハリー達にいろいろ親切に教えてくれるが、どうやら学校に隠されているらしい賢者の石については口をとざす。しかしながらハグリッドはついうっかりで口を滑らしてばかりいる。賢者の石は学校のある場所に厳重に保管されており、三頭犬と、学校の各教授が仕掛けた魔法で守られているという。三人は図書館で賢者の石について調べ始め、校長のアルバス・ダンブルドアの友人であるニコラス・フラメルが賢者の石を作った事を知る。

学校の教授の誰かが、ヴォルデモートに内通し、賢者の石を盗み出してヴォルデモートの肉体を取りもどそうとしているという疑いをもつようになった三人は、内通者が「魔法薬学」の教師であるセブルス・スネイプであると信じるようになる。ハグリッドはそれを否定するが、ある晩「ホッグズ・ヘッド」という酒場でうっかり見知らぬ男に賢者の石が隠されている場所を守っている三頭犬をどう越えるか教えてしまう。またそれと引き換えにもらったドラゴンの卵が孵り、家で隠して育てるに適さない大きさになってしまい、苦境に落ちる。だがロンの兄チャーリーとその友人のおかげで、ドラゴンをこっそり逃がすことに成功する(映画ではダンブルドアが取り計らったことになっている)。

三人は賢者の石を盗み出そうとする内通者の後を追って賢者の石が隠されている一室へと迫るが途中の謎掛けのために、ロンはチェスでハリーを勝利に導くために勇敢に戦い犠牲になって気絶し、ハーマイオニーは薬の論理パズルをみごと解く(映画では割愛)。ハリーはハーマイオニーと気絶しているロンを残して、自分が賢者の石を盗もうとしている者と戦っていることをダンブルドアに知らせるように頼む。そして親友に助けられ、辿り着いた最後の場所でハリーは賢者の石が隠された部屋へ到達する。そこでハリーが見たのは「闇の魔術に対する防衛術」の教師であるクィリナス・クィレルだった。そう彼こそがヴォルデモート卿だったのである。ヴォルデモートはクィレルにとりついていて賢者の石を使って復活しようとする。そしてそこにあった自分の心の奥から望むものを映し出す「みぞの鏡」の中からヴォルデモートを尻目に賢者の石を手に入れ、ハリーはヴォルデモートと戦い、彼の野望を阻止する。その戦いでクィレルは死亡する。

その後ロンは、ホグワーツで稀にみるチェスの名試合をやった事で50点、ハーマイオニーは薬の論理のパズルを解いた事(映画では冷静さの評価)や友人の危機を救ったことで50点、ハリーは並外れた勇気と精神力に60点をもらい、1位であるスリザリンと同位になる。さらにはネビルが規則破りをする三人を止めようとした事も勇気のいる行為と評価され、10 点をもらい結果的にグリフィンドールは寮杯を獲得した。


以上で作品の核心的な内容についての記述は終わりです。