ドイツ義勇軍

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ドイツ義勇軍(ドイツぎゆうぐん、Freikorps、フライコール)は、ドイツにおける志願兵部隊あるいは民兵組織の呼称。もともとは志願兵部隊のみを指した。

第一次世界大戦前

最初のドイツ義勇軍は18世紀七年戦争においてプロイセン王フリードリヒ2世が募集したものだった。他に知られる義勇軍にはナポレオン戦争における、フェルデナント・フォン・シルルードヴィヒ・アドルフ・ヴィルヘルム・フォン・リュッツオウなどに率いられたものがある。正規軍にとって義勇軍は頼りにならないと考えられており、彼らは主に歩哨やあまり重要でない任務を行っていた。

第一次世界大戦後

第一次世界大戦敗戦後の1918年以降、ドイツ周辺に出現した復員兵による民兵組織に対して使われるようになった。彼らはこの時活動していたヴァイマル民兵団の重要な位置を占めていた。多くのドイツ退役軍人は市民生活に馴染むことができず、軍事組織の中に安定を求めて義勇軍に入隊した。また、復員兵の多くは彼らの目から見て『突然起きた、どう見ても不可解な敗戦』とその後の社会の混乱に憤りを感じていた。彼等は、その憤懣を晴らすために入隊し、混乱の元凶と思われた共産主義者を鎮圧した。

彼らはドイツ社会民主党メンバーで国防大臣グスタフ・ノスケから多大な支援を受け、ノスケは彼らをドイツ革命の鎮圧や1919年1月15日カール・リープクネヒトおよびローザ・ルクセンブルクの処刑を含むマルキストスパルタクス団の壊滅、1919年のバイエルン・レーテ共和国打倒などに利用した。共産主義者への憎悪感は凄まじく、リープクネヒト、ローザ両人の遺体の確認が困難な状態になるほど痛めつけられていた。

義勇軍はまた、第一次世界大戦後、バルト三国シレジアおよびプロイセンで戦い、ときに大きな成功を納めた。

1920年公式に解散されるものの、多くの義勇軍は1920年3月のカップ一揆で政府を倒そうとし、失敗した。

1920年、アドルフ・ヒトラーは当時まだ名の知られていない小さな政党だったドイツ労働者党(間もなく国家社会主義ドイツ労働者党(NSDAP、ナチ党)に改称される)の指導者として、政治家キャリアの第一歩をミュンヘンで踏み出したところだった。ナチ党の未来の党員および指導者達(のちの突撃隊(SA)指揮官エルンスト・レーム、のちのアウシュヴィッツ強制収容所所長ルドルフ・フェルディナント・ヘスなど)の大多数は義勇軍出身者だった。

エアハルト海兵旅団の創設者であり指揮官でもあるヘルマン・エアハルトおよび指揮官代理エーベルハウト・カウッター(Eberhard Kautter)はヴィーキング同盟を率い、ミュンヘン一揆でヒトラーおよびエーリヒ・ルーデンドルフに手を貸すのを拒み、彼らに対して陰謀を企てた。

義勇軍の中でもっとも大規模だったものは鉄兜団、前線兵士同盟で、最終的にはナチ党とSAが共同したことにより解散した。

ドイツ義勇軍メンバー

後のナチス関係者
国防軍関係者
その他

参考文献

  • ロバート・G・L・ウェイト(山下貞雄訳)『ナチズムの前衛』(新生出版、2007年)
  • クラウス・テーヴェライト(田村和彦訳)『男たちの妄想〈1〉:女・流れ・身体・歴史』(叢書・ウニベルシタス;652)(法政大学出版局、1999年)
  • クラウス・テーヴェライト(田村和彦訳)『男たちの妄想〈2〉男たちの身体:白色テロルの精神分析のために』(叢書・ウニベルシタス;653)(法政大学出版局、2004年)
  • 上杉重二郎『統一戦線と労働者政府:カップ叛乱の研究』(風間書店、1976年)
  • 今井宏昌「ドイツ革命期における義勇軍:その成立に関する一考察」『七隈史学』12号(2010年)
  • 今井宏昌「ドイツ革命期における義勇軍と『東方』」『九州歴史科学』38号(2010年)
  • 今井宏昌「『第三帝国の最初の兵士』?:義勇軍戦士アルベルト・レオ・シュラーゲターをめぐる『語りの闘争』」『西洋史学論集』48号(2010年)
  • 今井宏昌「ドイツ義勇軍戦士の第一次世界大戦:アルベルト・レオ・シュラーゲターの野戦郵便をてがかりに」『七隈史学』13号(2011年)
  • 今井宏昌「ヴァイマル期ドイツ義勇軍指導者ヨーゼフ・ベッポ・レーマーの「越境」:「ナチズムの前衛」テーゼへの一反証」『七隈史学』14号(2012年)
  • 山田義顕「バルトのドイツ義勇軍(1918~19年)」『軍事史学』28巻1号(1992年)
  • 山田義顕「ヴァイマル共和国初期の政治的暗殺(Ⅰ): 秘密結社〈コンズル団〉」『大阪府立大学紀要 人文・社会科学』50号(2002年)
  • 山田義顕「ヴァイマル共和国初期の政治的暗殺(Ⅱ):〈コンズル団〉と政府・司法」『大阪府立大学紀要 人文・社会科学』51号(2003年)

外部リンク